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【イタリア便り】ローマにもいた 露店牛耳る大親分一家 巨額の権利保持する「帝国」の実態

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【イタリア便り】
ローマにもいた 露店牛耳る大親分一家 巨額の権利保持する「帝国」の実態

観光客でにぎわうイタリア・ローマのトレビの泉(AP) 観光客でにぎわうイタリア・ローマのトレビの泉(AP)

 香具師(やし)とは、縁日などで露店や見せ物などの場所割りをする地元の顔役のことで、的屋(てきや)とも呼ばれ歴史は古い。日本独特の存在だと信じていたら、ローマにもよく似た露店の大親分一家がいることがわかった。

 秋から冬にかけ、ローマを観光で訪れた方は、スペイン広場の角をはじめとする目抜き通りの方々に露天の焼きぐり屋があるのを覚えておられるだろう。あるいは夏、観光名所に駐車して冷たい飲み物などを売っている小型バス式の野外販売店が記憶に残っているかもしれない。それらのほとんどは、「トレディチーネ一家」の下で働いている。

 ローマ市が許可した野外販売の小型バス68台のうち42台は、この一家のものだという。ある労働組合の試算によると、この販売店の権利だけで時価総額は5千万ユーロ(65億円)に上るという。

 このほか、クリスマスの時期にナボーナ広場を埋め尽くす露店や、野外劇のテントなども一家が多くの権利を持つ。市当局も口を挟めないほどだ。

 一家の初代ドナート氏は1969年に田舎から出てきて昼は労働者、夜は焼きぐり屋として働いた。人々がこの世界のうまみにまだ気づかないときに、市からさまざまな形態の権利を取り集め、「露店帝国」を築いたという。(坂本鉄男)

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