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【正論】自助努力を欠く夜郎自大な「平和論」は日本、東アジアにとって危険だ 同志社大学教授・村田晃嗣

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【正論】
自助努力を欠く夜郎自大な「平和論」は日本、東アジアにとって危険だ 同志社大学教授・村田晃嗣

同志社大学教授・村田晃嗣(恵守乾撮影) 同志社大学教授・村田晃嗣(恵守乾撮影)

 かつて1990年の湾岸危機の際に、日本のテレビキャスターがイラクのサダム・フセイン大統領とアメリカのジョージ・H・ブッシュ大統領の写真を示しながら、「どちらもどちらですね」とコメントしたことがある。軍事力で隣国を侵略した人物と、国連決議をもとにクウェート解放を迫る人物を同列に論じる相対主義には、あきれたものである。

≪不安抱かせるトランプ氏の言説≫

 今や、北朝鮮の金正恩氏とアメリカのドナルド・トランプ大統領に、件(くだん)のコメントに近い印象を抱いている人は少なくないかもしれない。もちろん、ここでも、国連決議を無視してミサイルの発射実験や核実験を繰り返す独裁者と、同盟国の大統領を同列に論じることはできない。

 また、韓国には、米軍とその家族を含めて20万人のアメリカ人が、そして4万人の日本人が住んでいる(さらに毎月約16万人の日本人観光客が韓国を訪れている)。朝鮮半島での武力行使のハードルはきわめて高い。しかし、「激しい怒りと炎」といったトランプ大統領の言説や予測困難性が、北朝鮮への抑止効果を超えて、人々に必要以上の不安を抱かせているのは事実であろう。

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