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【主張】ケンブリッジ問題 中国が学問の自由脅かす

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【主張】
ケンブリッジ問題 中国が学問の自由脅かす

 世界各地の大学運営と学問の自由が、中国から脅かされている。

 英ケンブリッジ大学の出版局が、中国研究誌「チャイナ・クオータリー」のウェブサイトに掲載された論文約300点について、中国からの接続を一時遮断した。

 1989年6月の天安門事件やチベット、台湾問題などに関する論文だ。中国では自由な研究が妨げられているテーマばかりだ。

 大学側は、中国の要請に従って遮断したと認めた。その後、遮断が解かれたとはいえ、英国の知的伝統を支えた名門校として、見識に欠ける対応は残念である。

 要請に従って遮断措置をとらなければ、中国国内で人気のある英語教材など、一切の出版を禁じると圧力をかけられたという。

 人気があるのは中国国内でも必要とされる教材だからだろう。それを人質に取り、海外大学に論文の閲覧規制を迫るのは「検閲の輸出」というしかない。学問の自由への軽視も甚だしい。

 はからずも、世界第2の経済力を背景に、中国が海外大学の経営を左右する実態が浮き彫りになったともいえる。中国の高官、企業からは、多額の寄付金が大学に寄せられているという。

 米紙によれば、全米の大学・大学院には、30万人以上の中国人学生が在籍している。中国人の受け入れによる授業料収入は、大学経営の重要な基盤となる。世界に広がる現象ともいえる。

 大学ごとに編成される中国人留学生組織が、互助や親睦を超えた影響力を持ち、大学内で行使していることにも警戒が必要だ。

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