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【正論・戦後72年に思う】戦時下と裏返しの「平和主義者」 新潟県立大学教授・袴田茂樹

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【正論・戦後72年に思う】
戦時下と裏返しの「平和主義者」 新潟県立大学教授・袴田茂樹

 毎年8月になると、72年前の敗戦との関連でメディアには反戦・平和主義、核廃絶論、戦争体験談などが溢(あふ)れる。これらを見て、ある疑問を抱く。それは、戦後世代は満州事変(1931年)から敗戦(45年)に至る戦時中の雰囲気を果たしてリアルに理解しているのか。そして今は戦時中とは別の認識形態や自立的思考を本当に確立しているのか、という疑問だ。

 実際にはわれわれも、戦時中とは裏返しの形だが、同様の画一思考に陥っているのではないか。

 ≪本当に時勢に不本意だったか≫

 戦時下のわが国を描く近年の朝ドラなどの定番は、町内会(隣組)、婦人会などの翼賛組織の先頭に立って、軍部のお先棒を担いで国民を戦争に総動員する「悪役」と、彼らに従わざるを得ない「被害者」の一般国民-という図式だ。そして知識人たちも不本意ながら時勢に従うといった図だ。

 しかし実際には国家組織、教育やメディアが総力で推進した国と国の“試合”は、オリンピックやサッカー・ワールドカップなどとは天地の差の強力な“麻薬的力”を有していた。それがアジア解放の聖戦とされ、その勝敗に国民の生命や国運が懸かっていたからだ。具体例を挙げよう。

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