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【正論戦後・72年に思う】一帯一路進める中国、米国は衰退? 壮大な「歴史の実験」が始まった 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

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【正論戦後・72年に思う】
一帯一路進める中国、米国は衰退? 壮大な「歴史の実験」が始まった 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

杏林大学名誉教授・田久保忠衛氏(瀧誠四郎撮影) 杏林大学名誉教授・田久保忠衛氏(瀧誠四郎撮影)

≪自由主義は姿を消したのか≫

 戦争が終わって72年たった今の国際情勢がこのようになると予想した向きはいただろうか。冷戦が終わり、米国一極時代を経て、世界は多極化に向かっている。それでも米国に指導性がある時代には、一定の国際秩序は存在した。

 が、トランプ政権が米国に誕生し、大統領の口から「米国第一主義」「孤立主義」「保護貿易主義」を示す露骨な表現が出るたびに、国際社会は動揺する。日米同盟の恩恵にどっぷり漬かりながら、米国批判を続ける呑気(のんき)な時代は去ったと理解してよかろう。

 石が流れて葉が沈む時代が到来したのであろうか。少なくともトランプ大統領の言動を眺めている限りでは、国際的常識であった自由貿易主義、国際主義は姿を消したし、優れて戦略的狙いを持つ環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)離脱を場所もあろうに、1月の大統領就任式に合わせて高言するなど尋常ではない。

 時期を同じくして中国の習近平国家主席はスイスの世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に初参加して基調演説を行い、「世界を取り巻く多くの問題は決して経済のグローバル化がもたらしたものではない」と述べた。

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