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【産経抄】中国に屈した名門ケンブリッジ大学 8月22日

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【産経抄】
中国に屈した名門ケンブリッジ大学 8月22日

 亡命先の米国で5年前、76歳で亡くなった中国の天体物理学者、方励之氏は、反体制知識人のシンボル的存在だった。1989年の天安門事件直後に北京の米国大使館に駆け込み、1年後に英国への出国が認められる。

 ▼米国入りするまで、ケンブリッジ大学で研究生活を送っていた。その間メディアの取材に応じて、中国の未来について語っている。「民主改革が20世紀末までに実現する可能性がある」。残念ながら、方氏の楽観的な見通しは当たらなかった。

 ▼それどころか中国の言論統制は、ケンブリッジ大学にまで及んでいる。大学の出版局が、サイトに掲載されている中国関連の論文約300点について、中国からのアクセスを遮断したことを明らかにした。中国当局の要求に従ったものだ。

 ▼天安門事件や文化大革命、チベット関連の論文などが含まれている。拒絶すれば、他の論文も中国国内で利用できなくなる、と出版局は弁明する。それでも、「学問の自由を守るべきだった」と世界中の中国研究者から、批判の声が上がっている。

 ▼中国といえば昨日、ナショナル・ジオグラフィック日本版が驚くべきニュースを伝えていた。漁業が一切禁じられているガラパゴス国立公園の海域で、中国の密漁船がエクアドル当局に拿捕(だほ)された。船からは数千匹という前代未聞の数のサメが発見された。ただエクアドルは、最大の債権国である中国に対して厳しい態度をとれないのが実情だという。

 ▼ケンブリッジ大学は、ある中国の団体から数億円もの寄付を受け取っている。中国で販売している出版局の英語教材が、急速に売り上げを伸ばしている、との報道もある。まさか名門大学が中国の札束攻勢に目がくらんだ、とは思いたくないが。

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