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【主張】クロマグロ 長期的視野で対策主導を

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【主張】
クロマグロ 長期的視野で対策主導を

クロマグロ=鳥取県境港市の境漁港 クロマグロ=鳥取県境港市の境漁港

 すしに刺し身に、マグロ人気は高い。太平洋クロマグロはその頂点にある高級魚だ。庶民の食卓に直接響くことはないものの、絶滅危惧種として資源量回復は国際的な関心事となって久しい。

 水産庁は28日から開かれる中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)北小委員会に新たな漁獲規制案を提案する。

 日本案は、これまで強く反対してきた長期的な管理目標の導入を掲げた。漁獲がなかった時代の資源水準(初期資源)の最低20%まで回復させる米国提案に即しており、国際世論に抗しきれなくなった結果だともいえよう。

 一歩前進だと評価もできる。ただ社会経済的な要素により20%目標が適切でないと判断された場合、別の目標を設定するとの文言も盛り込まれた。下方修正を示唆し衣の下から鎧(よろい)ものぞくようではかえって反発を招きかねない。

 日本が主導権を握る北小委員会では提案を押し通すことは可能だろう。しかし、12月のWCPFCの本会議で米国やEU、豪州やニュージーランドなど漁業先進国の同意を得ることができるか。

 漁業関係者によれば、海域のクロマグロは初期資源の2・6%にまで落ち込み、禁漁すべき状態にあるという。資源回復と持続可能な漁業を望むのなら、より厳しい管理は当然である。

 目先の漁獲量に左右されることなく、長期的な視野に立った規制が必要だ。実効性を担保するためにも、漁業大国・日本の姿勢が改めて問われている。

 水産庁は危機意識に乏しいと指摘されても、いたしかたない。

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