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【正論】臓器移植の普及こそ時代の要請 日本財団会長・笹川陽平

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【正論】
臓器移植の普及こそ時代の要請 日本財団会長・笹川陽平

日本財団の笹川陽平会長(栗橋隆悦撮影) 日本財団の笹川陽平会長(栗橋隆悦撮影)

 世界保健機関(WHO)の2016年の世界保健統計によると、日本人の平均寿命は世界トップの83・7歳。男女とも戦後、30歳以上、寿命が延びた。経済成長に伴う食生活の改善とともに、誰もが安心して良質な医療を受けられる国民皆保険制度の確立(1961年)の影響が大きい。

 ≪世界最低水準からの脱却めざす≫

 しかし時代の変化に合わせ医療も変わらざるを得ない。多くの国で一般医療として定着しつつある臓器移植もそのひとつだ。わが国は1997年の臓器移植法施行から20年を経た現在も世界の最低水準にあり、中核である脳死後の臓器移植は年間100件に満たない現実がある。

 この結果、多くを親族や配偶者からの生体移植に依存、生体移植が不可能な心臓移植を海外に頼る傾向が強く、国際移植学会は2008年、各国に「自国内での臓器提供を増やす」よう求めるイスタンブール宣言を出した。これを受け、ヨーロッパ諸国やオーストラリアのように日本人の臓器移植希望者(レシピエント)の受け入れを禁止する国も出ている。

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