産経ニュース

【新聞に喝!】朝日新聞の無神経な「ビキニ水着」 元東京大学史料編纂所教授・酒井信彦

ニュース コラム

記事詳細

更新

【新聞に喝!】
朝日新聞の無神経な「ビキニ水着」 元東京大学史料編纂所教授・酒井信彦

 ところで、このビキニ事件に関連して、私が以前からとても気になっていた言葉に「ビキニの水着」がある。朝日新聞には第五福竜丸の記事の2日前、7月12日の夕刊「あのとき、それから」欄に「1968年(昭和43年) 東京・銀座の街頭で水着ショー」という記事が出ている。

 日本の女性用水着の歴史を紹介した記事だが、昭和27年の水着コンテストでは出場者は皆ワンピース型だったと指摘し、「一方、海外では胸と腰とに分かれた『セパレーツ』の流行が始まった。46年(昭和21年)に米国がビキニ環礁で行った原爆実験の衝撃にちなんで『ビキニ』と名付けられた水着が登場」と述べている。

 つまり、セパレーツの形が原爆のキノコ雲を連想させたのか否かはともかく、ビキニの語源が核兵器実験場のビキニ環礁に由来することは間違いない。そうだとすれば、われわれが日常的に使っている「ビキニの水着」という表現はずいぶん無神経な言葉ではないのか。

 欧米で作られた言葉であろうが、核の被害に遭った日本人が軽々しく使うべき言葉ではないはずだ。すでに「セパレート」という表現があるのだから、わざわざ「ビキニ」と言わなければならない必要はない。不都合な言葉は改められるべきで、かつて、トルコ人青年の要請で「トルコ風呂」という言葉は使われなくなった。

続きを読む

関連ニュース

「ニュース」のランキング