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【日曜に書く】「大和」と「武蔵」 論説委員・別府育郎 

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【日曜に書く】
「大和」と「武蔵」 論説委員・別府育郎 

大和ミュージアムの戦艦「大和」の巨大模型を見る来館者=4月23日午前、広島県呉市 大和ミュージアムの戦艦「大和」の巨大模型を見る来館者=4月23日午前、広島県呉市

 漁船の多くは老朽、小型のもので、1千トンクラスの海保の巡視船には対抗できない。ハングルなどによる電光板、拡声器での警告に応じて網を放置して逃げ出すのがほとんどだが、なかには、放水で退去を促すケースもあったようだ。

 「日本海(Japan Sea)」の、「大和堆(Yamato Bank)」である。その名称からも、必ず守りきってほしい海域である。

 ◆屈指の大漁場

 花村萬月は小説「永遠の島」の序章でこう書いている。

 《堆はその構造から魚介類の集合棲息場所であり、重要な漁場である。そのなかでも大和堆は武蔵堆や最上堆、あるいは壱岐堆といった漁場をしのぐ日本海屈指の大漁場であった》

 「堆」とは海底の浅くなった所を指し、大和堆は日本海の真ん中にそびえる長大な海底山脈である。最も浅い部分は水深236メートルしかない。

 昭和元年に海軍水路部の測量艦「大和」が精密測量を行い、艦名にちなんで大和堆と名付けられた。大和は、英国人、E・H・キルビーが設立した小野浜造船所で建造された汽帆兼用の鉄骨木皮スループ(巡洋艦)である。建造途中でキルビーが拳銃自殺(異説もある)したことから海軍が造船所を引き取り、明治20年に竣工(しゅんこう)した。

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