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【赤字のお仕事】「ひもとく」だけでは「解き明かせない」のですが… 

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【赤字のお仕事】
「ひもとく」だけでは「解き明かせない」のですが… 

 ひもとく→調べ物をする→何か自分の知らないこと、あるいは知りたかったことなどを、書物から得る→(そういった一連の行為から、今まで分からなかったことを)解き明かす…という連想が(無意識に)進んだのかもしれません。

 「調べる」という比喩的用法が使われだし、それから一歩踏み出して、「解き明かす」まで、意味の拡張が一般化してきたともいえます。

 とはいえ、「ひもとく」=「解き明かす」というのは、いささか飛躍が過ぎるきらいがあります。手元にある辞書を調べましたが、一部のものを除いては、こうした意味は載せていませんでした。

 書物を開いた段階でさまざまな謎が解き明かせれば、各分野の研究者は、とても楽になるかもしれません。

 関係書を「開き」、さまざまに「調べて」、歴史を「概観する」「振り返る」という意味での「ひもとく」という比喩的用法は許せるとは思いますが…。みなさんはどう思われますか?

 この原稿を書くのに、各辞書をいろいろと「ひもといて」調べました。でも今では、スマートフォンやタブレット端末を、「タップ」(画面を指先で軽くたたく)したり「フリック」(画面に触れ、その指先を素早く払う)したりして、調べ物はできてしまいます。

 「書物を開く=ひもとく」という言葉がますます日常から遠のき、比喩的な用法しか見かけなくなるのでしょうか…。(と)

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