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【日曜に書く】広島をどう描くのだろう 論説委員・佐野慎輔

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【日曜に書く】
広島をどう描くのだろう 論説委員・佐野慎輔

 あの開会式は、日本時間の8月6日朝にあたった。原爆投下の午前8時15分に合わせて、ブラジルの歴史に「日本」が登場した。日本からの移民とわかるパフォーマーが現れ、開墾、開拓の動作をみせた。

 明治期から25万人ともいわれる日本人移民がブラジルに根付き、やがて、160万人もの日系社会に広がっていく。広島県出身の移民も少なくなかった。そうした歴史への尊厳も踏まえたメイレレス監督の演出は、印象深く刻み込まれた。

 ◆強いメッセージを

 ふと考える。3年後、東京は広島をどう描くのだろう。

 広島だけではない。閉会式の8月9日は「長崎の日」にあたる。人類史上最悪の愚挙をうけた国で開くオリンピックは、2つの日を避けては通れまい。

 「平和の灯(ともしび)」「長崎の鐘」を開会式のセレモニーに登場させることもいい。日本を訪れる選手、要人たちを両都市に招くことも考えられよう。

 1964年東京オリンピックでは、10月10日の開会式の聖火最終走者にあの45年8月6日、広島県三次市で生まれた19歳の坂井義則さんを選んで、広島への思いを託した。

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