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【産経抄】7月30日

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【産経抄】
7月30日

 元日本レスリング協会会長の八田一朗は、選手の寝込みをよく襲った。昭和39年の東京五輪へ向けた合宿に、知られた話がある。寝静まった頃、全員をたたき起こし点呼を取る。続けてトレーニングをする日もあればビデオ研究を行う日もあった。

 ▼「八田イズム」と呼ばれる過酷な鍛錬は、5個の金メダルをわが国にもたらしている。選手に昼夜の境はなく、「常在戦場」の気組みは当たり前。日の丸を背負う者よ、かくあれ。泉下から響く八田の声を、多端の国事を預かる閣僚にも聞いてほしいところである。

 ▼寝覚めの悪い人か、打てど響かぬ人なのかは知らない。国連平和維持活動をめぐる日報の隠蔽(いんぺい)問題で稲田朋美氏が防衛相を辞任した。北東アジアの危機を前に国防強化の政策を構想し実現する。そんな姿を氏に見ることはついになかった。退場は遅すぎた観もある。

 ▼自衛隊の政治的中立をわきまえぬ選挙での応援演説といい、「森友問題」で記憶に基づく発言を撤回した不手際といい、世論の鳴らす警笛に目を覚ます機会はいくらでもあったろう。「将来の首相候補」と安倍晋三首相に目をかけられた人なら、なおのことである。

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