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【国語逍遥】(87)清湖口敏 「森友学園」をきっかけに汚いイメージが広がった「忖度」の意味 恣意的に歪める「印象操作」をメディアはしていないか?

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【国語逍遥】
(87)清湖口敏 「森友学園」をきっかけに汚いイメージが広がった「忖度」の意味 恣意的に歪める「印象操作」をメディアはしていないか?

 世につれ場面に応じて言葉の意味が変わるのは、別段珍しい例ではないから、忖度に負の語感が加わったところで特に驚くには当たらない。しかし国民の言語行動に大きな影響を与えるマスコミが、言葉のもともとの意味までも恣意(しい)的に歪(ゆが)め、それを世間に垂れ流して何らかの利を謀っているのだとしたら、さすがに問題と言わざるを得ない。

 忖度という語は、五経の一つで中国最古の詩集『詩経』(小雅・巧言)に「他人有心 予忖度之」(他人(たにん)心(こころ)有(あ)り、予(われ)之(これ)を忖度す)として登場する。

 「森友」問題に触れた4月1日付朝日新聞のコラム「天声人語」は、「忖も度も『はかる』の意味である。それが最近では、権力者の顔色をうかがい、よからぬ行為をすることを指すようになってしまったのか」と書き、右の詩経の一節を紹介したうえで、こう続けた。「他の人に悪い心があれば私はこれを吟味するという意味だと、石川忠久著『新釈漢文大系』にある。もともとは悪いたくらみを見抜くことを指したのか」。

 忖度のもともとの意味を知らない読者はこのコラムを読んで、「忖度とは、悪いたくらみを見抜くことだったのか」「官僚が総理の意向を忖度したのだから、総理の意向は悪巧みだった」と合点しかねない。

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