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【主張】財政試算 成長頼みの危うさ直視を

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【主張】
財政試算 成長頼みの危うさ直視を

 平成32年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)を黒字化する目標の達成が、極めて困難になっている。

 内閣府が公表した中長期の財政試算では、黒字化どころか、8・2兆円の赤字が残る見通しだという。

 安倍晋三政権が目指す高めの成長を実現し、31年10月に消費税率を10%に引き上げたとしても、これだけ巨額の赤字が残るというのだ。

 1月時点の試算より赤字幅はわずかに減ったが、黒字化とほど遠い状況に何ら変わりはない。経済再生と財政再建の両立が思い通りに進んでいない証左でもある。

 政権はまず、この現状を厳しく受け止めなければならない。その上で、黒字化に向けて新たに何をなすべきか、歳出と歳入を抜本的に洗い直して再建への道筋を再構築する必要がある。

 これは来年度予算編成でも当然、銘記すべき観点である。先に決まった概算要求基準は4兆円の特別枠などを認めた。各省庁の要求総額は100兆円を超える見通しという。野放図な歳出膨張につながらぬよう警戒を怠れまい。

 8・2兆円の赤字は、経済成長率が名目3%以上、実質2%以上に高まるという楽観的な想定に基づくものだ。名目で1%台前半にとどまるという現実に近い想定なら、赤字は10・7兆円である。

 財政再建の手立てには、歳出削減、増税、経済成長に伴う税収増の3つがある。このうち政権がもっぱら頼みとしてきたのは経済成長である。行き過ぎた歳出削減や増税で景気が腰折れすれば、財政再建どころではないからだ。

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