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【主張】「電通」正式裁判に 経営者への厳しい警告だ

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【主張】
「電通」正式裁判に 経営者への厳しい警告だ

 だが、東京地検は同社を略式起訴にした。高橋さんら社員4人に対し、労使で定めた上限を超える月19時間超の残業をさせたという内容だ。高橋さんの当時の上司らについては、個人として処罰を求めるまでの悪質性は確認できないとして、起訴猶予となった。

 これまで、長時間残業などの労基法違反事件は、略式起訴がほとんどだ。それだけに簡裁の判断は異例といえる。過重労働に対する社会の厳しい目を、裁判所として考慮したものとみられる。

 今後の公判では、検察側の証拠開示や社長に対する被告人質問なども行われる。同社が社内に広がる違法残業を放置した、ずさんな労務管理の実態など、事件の全容解明につなげる必要がある。それが再発防止にも役立つだろう。

 産業界にはいまだに長時間労働の慣行が根強く残る。今回の事件は大手企業の事務職の働き方に当局のメスが入り、違法労働は許さないとの姿勢が示された。そして裁判所は厳格な審理を求めた。

 企業経営者はこれを厳しい警告と受け止めねばならない。

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