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【正論・北朝鮮ICBM発射】ICBM配備すれば米本土も「人質」…「同盟」の寸断を許してはならぬ 防衛大学校教授・倉田秀也

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【正論・北朝鮮ICBM発射】
ICBM配備すれば米本土も「人質」…「同盟」の寸断を許してはならぬ 防衛大学校教授・倉田秀也

防衛大学校教授・倉田秀也氏 防衛大学校教授・倉田秀也氏

 北朝鮮の核ミサイル開発を目の当たりにするたび、脳裏をよぎる金正恩朝鮮労働党委員長の発言がある。2013年3月末、金正恩氏は朝鮮労働党中央委員会総会で核開発と経済建設の「並進路線」を掲げつつ、「戦争抑制戦略」と「戦争遂行戦略」を提示した。

≪完成に近づく「戦争抑制戦略」≫

 「戦争抑制戦略」と「戦争遂行戦略」は相互に排他的ではないとはいえ、在日米軍基地を捉える中距離弾道ミサイル「スカッドER」など、最近の北朝鮮による弾道ミサイル発射は「戦争遂行戦略」を念頭に置いていた。そこで北朝鮮が「精密打撃」能力を誇示したように、「戦争遂行戦略」では、基地攻撃が可能な弾道ミサイルの高い命中精度が求められる。

 これに対して、「戦争抑制戦略」は米国に第一撃を躊躇(ちゅうちょ)させる第二撃能力に担保される。そこには弾道ミサイルの命中精度よりは、米国の人口稠密(ちゅうみつ)な都市に到達できる射程と多くの人命を奪い、産業基盤を壊滅する破壊力に力点が置かれる。

 大陸間弾道ミサイル(ICBM)こそ「戦争抑制戦略」の中枢に位置づけられるが、一般に、ICBMの射程とされる5500キロ以上は、冷戦期の米ソ軍備管理交渉で合意された定義であり、ソ連北西部と米国北東部のカナダとの国境の最短距離に由来する。米ソ間で定義された射程が、北朝鮮の「戦争抑制戦略」で特段の意味をもつわけではない。

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