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【津田俊樹のスポーツ茶論】インディ500を制覇した佐藤琢磨に教えられた価値判断

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【津田俊樹のスポーツ茶論】
インディ500を制覇した佐藤琢磨に教えられた価値判断

 佐藤といえば、「ノーアタック、ノーチャンス」をモットーとする。「攻めて、攻めてこそ勝利がある」というチャレンジ精神を身上にしている。果敢に挑む勇気あふれるドライビング・テクニックで、ファンのハートをわしづかみにした。

 覇者としてニューヨーク証券取引所に招かれ、鐘を鳴らしたときの「琢磨スマイル」がさわやかだった。

 凱旋(がいせん)帰国後、各方面で取り上げられるようになったとはいえ、1カ月半が過ぎても悔いが残る。

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 突然、知人から話を切り出された。

 「父がパラリンピックのソウル大会に卓球の選手として出場しているんです」

 2020年東京五輪・パラリンピックに話題が及んだときだった。

 「尊敬する父に東京大会をみせてあげたい」

 会社の資料室で、1988年当時の記事を探したが見つけられず、国際パラリンピック委員会(IPC)のホームページで記録を確認できた。

 五輪報道は紙面にあふれるほど報じられているにもかかわらず、触れずじまいだった。92年バルセロナ五輪を取材しているが、パラリンピックが開幕する前に引き揚げてしまった。

 帰国後、ある現場で聞いたパラリンピック出場を目指す選手の言葉が忘れられない。

 「初めてですよ、スポーツ担当の記者さんが来てくれたのは。私はアスリートですからね」

 それでも、記事は紙面の端に追いやられた。記者としての認識、力量、アピール不足を痛感したのを覚えている。

 開催まで3年となり、十分とはいかないものの、パラリンピックの記事が埋没することはなくなった。

 佐藤琢磨の活躍は、ニュース価値の判断に磨きをかけるように教えてくれたのではないか。

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