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【日の蔭りの中で】フェイクと民主政治 加計学園は大騒ぎするほどの大問題なのか? 京都大学名誉教授・佐伯啓思

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【日の蔭りの中で】
フェイクと民主政治 加計学園は大騒ぎするほどの大問題なのか? 京都大学名誉教授・佐伯啓思

 「フェイク(偽装)ニュース」という言葉はトランプ米大統領によって世界中に拡散したようだが、確かに今日の民主社会の様相を見事に言い現している。従来メディアは、「政府は本当のことを言わない」「政府は何かを隠している」などといってきた。これはメディアの政権批判の常套(じょうとう)であった。しかし、トランプ大統領は「メディアは本当のことを述べない」といい出した。それも、宴席や小さな会合でいうならともかく、まさにそのメディアを通して白昼堂々と大声でいい放った。

 米国がそんな調子だから何事も米国追従型のわが国で似たようなことが起きるのも当然であろう。いや、実は、ありとあらゆる情報が「フェイクニュース」の可能性を排除できないということは今日の情報民主主義社会の本質ともいえよう。

 加計学園の問題は現時点での情報だけからすれば、連日、メディアが大騒ぎするほどの大問題だとは私には思われない。内閣のなかで何があったのか、文科省のなかでどういう経緯があったのか、私には分からないが、おおよその推察はできる。

 安倍晋三首相は「特区の獣医学部新設、急いで進めてくれ」程度のことはいったかもしれないし、内閣官房は首相の「意をくんだ」か「威を借りた」つもりで、文科省に伝えたかもしれないし、文科省では内部で話を通すために「上からの要請だ」ということぐらいはあったかもしれない。むろん違うかもしれない。真相は分からないし、分かりようもないであろう。

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