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【産経抄】欧州産チーズという「黒船」襲来 ミルク文化が注目されるのは変革の時代 7月7日

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【産経抄】
欧州産チーズという「黒船」襲来 ミルク文化が注目されるのは変革の時代 7月7日

EUとのEPAで、スーパーなどで欧州産の輸入チーズは安くなる見通しだ(横浜市鶴見区のスーパー) EUとのEPAで、スーパーなどで欧州産の輸入チーズは安くなる見通しだ(横浜市鶴見区のスーパー)

 聖徳太子がチーズを賞味したことを示す史料は残っていない。ただ、チーズの歴史にくわしい広野卓(たかし)さんによれば、「可能性はきわめて大きい」(『古代日本のチーズ』角川選書)。

 ▼ミルクとチーズの文化は6世紀ごろ、仏教とともに大陸から伝来した。仏典には乳製品についての記述もあった。仏教に深く帰依していた太子が、知らなかったはずはないというのだ。

 ▼「蘇(そ)」と呼ばれた古代のチーズは、高級食材、あるいは健康食品として天皇家や貴族に珍重された。もっとも、武家に政権が移るにつれて、ミルクの文化は廃れていく。武士にとって、牛より合戦に役立つ馬の方が大切だったようだ。

 ▼日本とはまったく違う歴史をたどってきた本場欧州のチーズが、ますます身近な存在になりそうだ。日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)では、EU産のチーズに一定の輸入枠を新設して15年かけて無税とする。関税が即時撤廃される欧州産ワインとともに、楽しむ機会が増える消費者にとっては、大歓迎である。一方、日本の酪農家は、大きな打撃を受ける。

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