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【産経抄】「ノーベル平和賞の椅子は空いている」 中国が出席を認めなかった民主活動家、劉暁波さんの容体が心配だ 6月29日

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【産経抄】
「ノーベル平和賞の椅子は空いている」 中国が出席を認めなかった民主活動家、劉暁波さんの容体が心配だ 6月29日

 ドイツ・ハンブルク出身のカール・オシエツキーは、第一次大戦に従軍した後、平和運動に身を投じる。雑誌編集者として、ベルサイユ条約に違反したドイツの再軍備を暴露して服役する。

 ▼ナチス政権が発足すると再逮捕され、強制収容所に送られた。ノーベル平和賞の受賞が決まりそうになると、ナチスはあの手この手で妨害を図った。失敗に終わったものの、本人の授賞式への出席を許さなかった。

 ▼再びオシエツキーが脚光を浴びるのは75年後である。ノルウェーの首都、オスロで2010年12月に行われた授賞式に、やはり受賞者の姿はなかった。中国政府は、獄中にある民主活動家、劉暁波さんや家族の出席を認めなかった。

 ▼ヒトラーはノーベル賞に対抗して、戦争準備の功労者を対象とする国民賞を創設した(『カール・フォン・オシエツキーの生涯』加藤善夫著)。中国は「孔子平和賞」を作った。平和賞への激しい敵意は共通している。「オシエツキーは健康そのもの」。ナチスはこんな新聞記事も捏造(ねつぞう)した。実はノーベル賞受賞時に既に重い結核を患っていたオシエツキーは、1938年にベルリン市内の病院で48年の生涯を終えている。

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