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【正論】敵味方の概念を整理してみよう 日米同盟は恒久のギフトではなく、ダウングレードありえる 元駐米大使・加藤良三

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【正論】
敵味方の概念を整理してみよう 日米同盟は恒久のギフトではなく、ダウングレードありえる 元駐米大使・加藤良三

元駐米大使・加藤良三氏 元駐米大使・加藤良三氏

 最近、ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官(稀有(けう)の国際政治学の泰斗として信奉者が多い)がトランプ大統領にブリーフしているとの報道がある。私はキッシンジャー氏の名声を承知しているが、日米関係の文脈で彼を有り難い存在と思ったことはない。何か大事な局面で、日本のために頑張ってくれたという記憶はない。

 あるアメリカの友人はキッシンジャー氏は「大国中心主義」の権化であり、現代の「ビスマルク」のつもりなのだと評する。キッシンジャー氏にとって大国とはかつてのソ連であり今は中国である。

 彼が長老として、トランプ大統領に「アジアにおける真の大国は中国であり、対中関係に軸足を置くべし、日本は従属関数だ」と繰り返せば、大統領が洗脳される可能性がないとはいえない。

≪「同盟」は「運命共同体」ではない≫

 キッシンジャー氏に果たしてそこまでの力があるのかどうか定かではないが、注意を払っておいて悪いことはない。ことは「同盟」の意義に繋(つな)がりうるからである。

 「大国中心主義」は「同盟」と調和しない。国連の体たらくからして、「世界政府」など、おとぎ話でしかない現在、国際的な「敵味方識別装置」の実態を日本は鋭敏に理解しておく必要がある。

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