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【大阪特派員】なにわ美人…“画壇の悪魔派”と呼ばれた北野恒富 山上直子 

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【大阪特派員】
なにわ美人…“画壇の悪魔派”と呼ばれた北野恒富 山上直子 

 女性とは、風土を内包し、また表現する存在らしい。ナントカ美人というのもその一つだろうが、なにわ美人を堪能するなら、この画家だ。

 上品で華やか、そして内なる独特の存在感が匂い立つ女性を描いた大阪画壇の巨匠、北野恒富(つねとみ)(1880~1947年)の没後70年を記念した初の大回顧展が、大阪市で開かれている。

 「祖父は金沢生まれですが、大阪の人でした。なぜ東京や京都ではなかったのかと不思議に思うこともありますが、大阪が好きだったんです」と地元開催を喜ぶのは、孫の北野悦子さん。恒富は17歳で大阪に出て、67歳で亡くなるまで大阪の女性を描き続けた。

 美人画というと「東の清方、西の松園」とうたわれた鏑木清方(東京)と上村松園(京都)が有名だが、大阪の恒富も忘れてはならない。江戸庶民の風情漂う清方と、女性美を昇華させた端正さの松園に対し、恒富は耽美(たんび)で艶のある女性を描いた。初期の画風を評して、京都の画家から“画壇の悪魔派”と呼ばれたのもうなずける。

 とはいえ、恥ずかしながら、恒富の魅力を知ったのは最近のことだ。数年前、大阪出身・在住の美術家、森村泰昌さんが、高島屋の企画で開いたセルフポートレート展を取材した。恒富が描いたポスター原画の女性に、森村さんがふんした写真展だったのだが、その刺激的な構図に目が離せなかったのである。

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