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【正論】「抗がん剤効果少ない」との発表 高齢者がん治療方針を転換せよ 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫

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【正論】
「抗がん剤効果少ない」との発表 高齢者がん治療方針を転換せよ 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫

 本紙4月27日付朝刊のトップ記事「高齢患者 抗がん剤効果少なく 政府など調査 年齢別指針作成へ」に接し、直ちに国立がん研究センターのウェブサイトを開いてプレス発表の全文を読んだ。

 わが国にはがん対策基本法があり、これにもとづいて5年ごとにがん対策推進基本計画が発表される。次期の第3期計画が目下、検討中だという。

 そのための資料として、平成19年と20年に国立がん研究センターで受診したがん患者のうち70歳以上の1500人について、肺・胃・大腸・乳房・肝臓の部位別にカルテを精査したところ、抗がん剤治療と生存期間との間にはさしたる有意相関は認められず、75歳以上の肺がんなどでは、40カ月以上生存したのは抗がん剤治療を受けなかった者のみという結果であった。70歳未満のがん患者についても検証を続けてみてはどうか。

≪放置しても死亡数は変わらず≫

 私も78歳。正真正銘のがん予備軍である。何人もの身内や親友ががんに罹患(りかん)し、抗がん剤の副作用や術後転移などで苛酷というより他ない最期を迎えたことをよく知っている。日本の高齢者のがん治療のありように強い違和感を拭えず、時に話題となる欧米の医学専門誌に掲載される論文に目を通すようにしてきた。

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