産経ニュース

【日曜に書く】沖縄とボクシング 論説委員・別府育郎

ニュース コラム

記事詳細

更新

【日曜に書く】
沖縄とボクシング 論説委員・別府育郎

 ◆新チャンピオン

 5月20日、東京・有明コロシアム。白井・具志堅スポーツの比嘉大吾はフアン・エルナンデス(メキシコ)を6回TKOで破り、WBAフライ級チャンピオンのベルトを腰に巻いた。

 沖縄出身の世界王者は、1976年にWBAジュニアフライ級王者となった具志堅用高から数えて7人目。リング上に、このうち3人の顔があった。

 歓喜の新王者、比嘉。悲願成就に落涙する会長の具志堅。そしてもう一人、トレーナーの元WBCジュニアフライ級王者、友利正が、穏やかに控えめに静かな笑みを浮かべていた。

 ◆拳闘の島

 プロゴルファーの宮里藍が引退を表明した。沖縄がゴルフの島であるとの印象は、世界ランク1位にも輝いた彼女の存在によるところが大きい。藍を追った宮里美香や諸見里しのぶら後進の活躍がこれを決定づけた。

 以前は沖縄といえばボクシングだった。俊敏で小柄な島民が多く、琉球空手発祥の土地柄から格闘技と親和性が高い。何より、具志堅の存在があった。

 石垣島出身の具志堅は興南高校でボクシングを始め、インターハイで優勝。協栄ジムでプロに転向し、沖縄の本土復帰から4年後、世界王者となった。世界タイトル13度の防衛は現在も破られぬ国内記録だ。獰猛(どうもう)なまでのファイトと、「ちょっちゅね」などのとぼけた発言の落差から空前の人気者となった。ただしこれは、内地の人がシマグチを笑ったものである。

続きを読む

「ニュース」のランキング