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【正論】トランプ大統領が北朝鮮に示した対話の意思は時期尚早ではないか 北朝鮮の核放棄はさらに遠くなった 防衛大学校教授・倉田秀也

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【正論】
トランプ大統領が北朝鮮に示した対話の意思は時期尚早ではないか 北朝鮮の核放棄はさらに遠くなった 防衛大学校教授・倉田秀也

防衛大学校教授の倉田秀也氏 防衛大学校教授の倉田秀也氏

 核不拡散の領域には「安全の保証」という概念がある。これは核兵器国が非核兵器国に対し、核兵器をもたない限り、武力攻撃はしないと確約して、核兵器を開発する動機をそぐことを意図する。「安全の保証」は非核兵器国全般に向けられた普遍性をもつ。

 これに対し、北朝鮮にほぼ固有の「体制の保証」の概念がある。これはクリントン米政権期からの論争-北朝鮮の核ミサイル問題を統治体制と不可分と見做(みな)し、体制変革を求めるか、核ミサイル問題を統治体制から切り離して、あるがままの存在として扱うか-から生まれた。「体制の保証」とは、従って、米国が北朝鮮に体制変革を求めないと確約することで、核放棄を促すことを試みる。

 ≪無効となった2つの「保証」≫

 ブッシュ米政権下で起きた「第2次核危機」は6者会談を伴ったが、そこで米国が北朝鮮に確約したのも、「安全の保証」であり「体制の保証」であった。

 当時のパウエル国務長官は「北朝鮮に脅威を与えず、侵略・攻撃する意図もなく、体制転換を要求しない」という「3つのノー」を示した。この核危機に一応の小康をもたらした2005年9月の共同声明でも、米国は「朝鮮民主主義人民共和国に対して、核兵器または通常兵器による攻撃または侵略を行う意図を有しない」ことを確認し「安全の保証」を与えた。

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