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【正論】「日本に何ができるのか。アメリカを前面に立たせて日本は後ろにいるつもりか」 トランプ米大統領のいらだちが問うもの 専守防衛で拉致は解決しない  福井県立大学教授・島田洋一

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【正論】
「日本に何ができるのか。アメリカを前面に立たせて日本は後ろにいるつもりか」 トランプ米大統領のいらだちが問うもの 専守防衛で拉致は解決しない  福井県立大学教授・島田洋一

島田洋一・福井県立大教授 島田洋一・福井県立大教授

 ≪日本は自分を守るだけか≫

 トランプ政権発足前後から続いた日米の“蜜月期間”は終わったのか。

 5月26日、先進7カ国(G7)首脳会議直前に行われた日米首脳会談の場で、北朝鮮と中国の関係に話題が及ぶや、トランプ大統領が態度を一変させた。関係者の話を総合するとこうなる。

 中国はよくやっていると語るトランプ氏に対し、安倍晋三首相はその不十分である旨を説いた。正しい指摘である。ところがトランプ氏は、いらだちもあらわに、居丈高に言い放つ。

 では、日本は一体何ができるのか。もし北朝鮮と軍事衝突になった場合、アメリカを前面に立たせて後ろにいるつもりか。ミサイル防衛に力を入れると言うが、自分を守るだけの話じゃないか。

 こうした趣旨の言葉がトランプ氏の口から矢継ぎ早に飛び出した。国際場裡(じょうり)では先輩格の安倍氏にアドバイスを求めるといった春先までの態度はすでに、もうなかった。

 会談後の記者会見で安倍首相は、「特に、平和安全法制を制定したことによって、日米が日本を守ることにおいて、お互いが助け合うことができる同盟になりました。助け合うことができる同盟は、当然、その絆を強くします」と語っている。

 確かに平和安全法制によって、日米の「絆」が音を立てて崩れる事態は回避できた。

 しかし、東アジア情勢が緊迫化する中、「日本を守ること」において「日米が助け合う」(米側にしてみれば、これ自体、身勝手な言い分ということになろう)を超えて、日本は何ができるのか、というトランプ氏の問いに応えるものではない。

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