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【黒沢潤のスポーツ茶論】キューバと「ベースボール」 政治思想を越えて 

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【黒沢潤のスポーツ茶論】
キューバと「ベースボール」 政治思想を越えて 

 5月時点で本塁打15本。プロ野球ソフトバンクの巨砲、デスパイネの破壊力を見るにつけ、出身国の「野球王国」キューバの情景が思い出されてならない。

 オバマ前米政権が共産主義国キューバと国交回復に乗り出した2015年、閉鎖的だった同国に取材に行った際のことだ。スペインの植民地時代に建てられた欧風建築が立ち並ぶ一角で、国内リーグの選手たちの成績を群衆約200人が口角泡を飛ばして議論していた。つかみ合いになりそうなほどの形相に「これが世界的な選手を生む土壌なのだ」と感じさせられた。

 フィデル・カストロ前国家評議会議長の盟友、チェ・ゲバラらの巨大肖像画が壁面に描かれた官庁が集中するハバナの“心臓部”、革命広場近くに歩みを進めると、将来の「国家代表」を夢見る青年たちが球場で白球を追う姿があった。

 数人に声を掛けると彼らは次々にこう語った。「日本の野球を見習いたい。パワー野球でなく、走者が塁に出たら次打者が右狙いに徹する堅実野球だ」と。今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、キューバが意外にもあっけなく敗退した遠因がそこにあったかは別として、キューバの野球に変化の兆しが見てとれた。

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