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【主張】5度目の成長戦略 過去の成果を見つめ直せ

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【主張】
5度目の成長戦略 過去の成果を見つめ直せ

 政府の未来投資会議が新たな成長戦略の素案をまとめた。人工知能(AI)やロボットを活用して「第4次産業革命」を促すことなどが柱だ。

 従来の成長戦略の踏襲が多い印象は拭えない。労働や農業、医療・介護などの分野で、岩盤規制に鋭く切り込んだとも言いがたい。

 それでも、成長の期待される分野を後押しし、産業の新陳代謝を促して生産性向上を図る意義を、軽視することはできない。経済の底上げにつながる着実な取り組みが欠かせない。

 第2次安倍晋三政権の発足後、5度目の成長戦略となる。過去の戦略がどれだけ成果を挙げたのか、という指摘は免れない。

 金融緩和と財政出動で景気を刺激する間に、成長戦略を深化させて強い経済を取り戻す。これが、アベノミクスが想定するシナリオだったはずである。

 ところが、日本経済が中長期的にどれほど成長できるかを示す潜在成長率は、いまだに0%台にとどまっているとされる。戦略の力不足は否めないところだ。

 政権側は、農協改革や法人税率引き下げなど、これまでの改革で雇用や企業収益が大きく改善したと成果を強調する。そうした面もみられるが、実現のメドが立っていない目標さえある。現実を厳しく認識すべきである。

 政権が当初から掲げていた「ビジネス環境ランキングで先進国3位以内」は、その典型だろう。企業が行政手続きに要する時間を2割削減する目標が新たに入ったが、「3位以内」を目指すにしては、まだ切迫感が足りない。

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