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【正論】勢力拡大を警戒される「一帯一路」、日本の姿勢=ソフトパワーに学べ 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦

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【正論】
勢力拡大を警戒される「一帯一路」、日本の姿勢=ソフトパワーに学べ 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦

双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦氏(野村成次撮影) 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦氏(野村成次撮影)

 5月20日、上海対外経貿大学で行われた日中経済対話に参加した。北京で「一帯一路フォーラム」が行われた直後だっただけに、東アジアの経済統合や自由貿易に関する議論が中心であった。

≪勢力圏の拡大が警戒される≫

 驚いたのは、かの地における日本研究者の一人が、「福田ドクトリンに学ぶ日本外交」というテーマで発表したことである。1970年代には、東南アジアでの日本の評判は非常に悪かった。田中角栄首相が訪問した際には、ジャカルタやバンコクで反日デモの手荒な出迎えを受けたものである。

 それから幾星霜、今では東南アジアにおける日本の評判はとても良くなっている。その理由が、77年に福田赳夫首相がマニラで発表した「福田ドクトリン」にあったのではないか、というのである。

 記憶を呼び起こすと「福田ドクトリン」とは、(1)日本は軍事大国にならない(2)東南アジア諸国連合(ASEAN)と「心と心の触れ合う関係」を構築する(3)「対等なパートナー」-の3原則であった。政府がかくも低姿勢であった上に、対外援助や日本企業の進出があったから、好意的に受け止められるようになった。中国もこういう「ソフトパワー」に学ぶべきだ、という論旨であった。

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