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【主張】年内に自民改憲案 首相方針へ論議の加速を

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【主張】
年内に自民改憲案 首相方針へ論議の加速を

 安倍晋三首相(自民党総裁)が憲法9条改正などについて、党としての改憲案を年内にまとめる方針を表明した。

 施行の目標を3年後の平成32年に置く自身の構想に沿ったものだ。民進党などの抵抗で進まなかった論議を加速するものであり評価したい。

 首相は「第一党のリーダーとして国民に訴え、議論を深め、促進する責任がある」と述べた。最大政党の党首が憲法改正に指導力を発揮するのは当然だ。

 自民党は、党憲法改正推進本部(保岡興治本部長)の幹部に、党執行部の幹事長や政調会長らを加えて態勢を強化した。保岡氏は検討項目として9条への自衛隊明記と教育無償化、緊急事態における国会議員の任期延長を挙げた。

 最大の焦点は、9条である。

 現憲法に防衛力の規定がないことが安全保障をめぐる国論を混乱させてきた。国民を守り抜く術(すべ)を定めぬ憲法が独立国の憲法といえるのか。致命的な欠陥は是正していかねばならない。

 現行の憲法9条1項、2項はそのまま残し、自衛隊の根拠規定を加えるのが首相の考え方だ。

 自民党が24年に党議決定した「党憲法改正草案」は9条1項の戦争放棄を残しつつ、戦力不保持の2項は全面的に改めて自衛権を明記した。新設の条文「9条の2」で国防軍の保持を定めた。

 党内には首相の構想に対し、自衛隊を軍と位置づけなくてよいのかという意見と、「憲法上の規定があれば自衛官は誇りを持って活動できる」(中谷元・元防衛相)と賛成する意見とがある。

 日本の平和と安全を保つ上で、国防軍の実現が望ましいのはもちろんだ。産経新聞の憲法改正案「国民の憲法」要綱(25年)も軍の保持を盛り込んでいる。

 自衛隊を認める「加憲」を超えた改正に公明党は否定的だ。その同調を得なければ9条改正は触れることさえできないと、首相は現実的に判断しているのだろう。

 自衛隊の位置づけのほか、3分の2勢力をどう形成するか。自民党議員は議論を尽くし、改正案を確実にまとめてほしい。

 憲法の施行から70年を迎え、日本を取り巻く環境は一層きびしいものになっている。国民を守り抜くという、国家としてもっとも基本的な役割を果たすために必要な憲法改正を、国民とともに考える作業を急ぎたい。

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