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【正論】将来見据え、日本にふさわしい皇室のあり方の議論を 学習院大学学長・井上寿一

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【正論】
将来見据え、日本にふさわしい皇室のあり方の議論を 学習院大学学長・井上寿一

学習院大学学長の井上寿一氏 学習院大学学長の井上寿一氏

 残された重い課題の解決は、国会だけでなく、国民一人一人にも投げかけられている。

 象徴天皇制度は天皇と国民の相互作用によって機能している。NHKが1973(昭和48)年から5年ごとに実施している「日本人の意識」調査によれば、昭和末年までの天皇陛下に対する感情は〈特に何とも感じていない〉が最も多かった。平成に移ると〈好感をもっている〉が第1位となり、〈尊敬の念をもっている〉が最も少なくなる。その後、〈尊敬〉は増加し、2013(平成25)年は〈好感〉の35%に対し、34%とほぼ並んでいる。〈特に何とも感じていない〉は調査開始以来、最低の28%である。

 今日のネット社会では皇室・皇族に関する情報も開放化が進んでいる。情報の開放化は功罪相半ばする。〈好感〉度が上がることはあっても、〈尊敬〉度が上がるとはかぎらない。〈好感〉だけでなく〈尊敬〉も重要である。

 〈尊敬〉感情の増加は天皇陛下の統合力を強める。経済的な格差拡大や東日本大震災後の社会の分裂傾向にもかかわらず、あるいはそうだからこそ天皇陛下の存在は揺るがない。ご高齢の天皇陛下の被災地訪問や戦地慰霊に、国民は強い尊敬の念を抱く。

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