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【オリンピズム】1972札幌(14)深さを増す北朝鮮の闇

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【オリンピズム】
1972札幌(14)深さを増す北朝鮮の闇

北朝鮮応援団によってスピードスケート会場に掲げられた横断幕=昭和47年2月9日、真駒内屋外競技場 北朝鮮応援団によってスピードスケート会場に掲げられた横断幕=昭和47年2月9日、真駒内屋外競技場

 札幌冬季五輪のスピードスケート女子1500メートルが行われた1972(昭和47)年2月9日、会場の真駒内屋外競技場には韓国と北朝鮮、合わせて約6千人の応援団が詰めかけていた。当時のサンケイ新聞に観客席の熱狂ぶりが描かれている。

 〈スタンドをうめつくした紺と赤の“北”の旗。それにまじって白地の中央に赤と紺を丸くそめぬいた“南”の旗が大きくゆれた。「がんばれ、ピルファ」南の人と北の人が、声をそろえて絶叫した。(中略)南の選手がコースに出れば、北の旗もどっとどよめき、北の選手には南の旗がゆれた〉

 南北がそろって声援を送った「ピルファ」とは、北朝鮮のエース、韓弼花(ハン・ピルファ)。彼女にまつわる悲話に、観衆は自らの境遇を重ね合わせていたのかもしれない。

 五輪前年、ピルファがプレ大会で来日した。それがきっかけで、朝鮮戦争の混乱で21年前に北と南で生き別れた実兄が、妹の消息を知った。プレ大会を終えた妹は東京に向かった。兄もソウルから東京に飛んだ。

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