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【正木利和のスポーツ茶論】勝ち負けより大切なもの…自分に打ち勝つ勇気

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【正木利和のスポーツ茶論】
勝ち負けより大切なもの…自分に打ち勝つ勇気

初戦の2回戦で池田賢生(上)に一本負けした大野将平=4月29日、日本武道館 初戦の2回戦で池田賢生(上)に一本負けした大野将平=4月29日、日本武道館

 勝負は結果がすべて、などといわれる。だが、その勝負の世界で、ときに勝者にひけをとらぬほど、強い印象を残す敗者が生まれることもある。

 たとえば、先月29日、体重無差別で争う全日本柔道選手権に出場した大野将平(旭化成)である。

 初戦、90キロ級の池田賢生(日本中央競馬会)と対戦したリオ五輪73キロ級の王者は、20キロ近く重い相手を積極的に攻め、投げ技で幾度か宙に浮かせもした。

 さすがに、ゴールデンスコア方式の延長戦に入るとスタミナが切れ、9分54秒の熱戦の末、最後は大外刈りを喫して敗れ去った。

 しかし、大野は武道館につめかけたファンから誰よりも温かい拍手を浴びた。それは、柔道には勝ち負けという結果以上に大切なものがあるということを、彼が身をもって示したからに違いない。

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 昨年暮れ、大野にインタビューをしたときのこと。これからの目標を聞くと、彼は「自分の階級におさまらず、無差別級の試合にもチャレンジしていきたいという気持ちがあります」と答えた。だから、そのときにはすでに、全日本選手権への出場の意向を固めていたに違いない。

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