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【主張】憲法と緊急事態 議論の矮小化にあきれる

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【主張】
憲法と緊急事態 議論の矮小化にあきれる

 東日本大震災から日本人は、「想定外」の事態にもっと備えておくべきだと学んだ。それを国会議員は忘れたのか。

 憲法に緊急事態条項を設ける問題が、衆院憲法審査会で取り上げられている。そこで聞こえてくるのは「大規模災害時の国会議員の任期延長」ばかりである。議論の矮小(わいしょう)化というしかない状況である。

 自然災害や有事、テロが招く大規模災害から国民を守り抜くことは国の最も重要な責務だ。最大限の力を発揮できるよう、政府に一時的に権限を集める規定を憲法に置く。それこそが緊急事態条項の核心となるべきだ。

 憲法45条によれば衆院議員の任期は4年で、解散時に議員はその地位を失うと定めている。任期満了直前や総選挙時に大規模災害が起きれば、投開票が実施できず議員が不在となる可能性がある。

 しかし憲法は54条で、解散時でも「国に緊急の必要」があれば、参院が国会機能を代行する「緊急集会」を規定している。

 任期延長を論じるのはよいが、緊急事態条項のすべてのように考えるのは誤りである。

 国民を守る措置を直接、実施するのは行政府である。その機能を果たすために何が必要かを考えることが先決ではないのか。

 東日本大震災を上回る被害が予想される、南海トラフ巨大地震や首都直下型地震への備えも、すでに現実の課題になっている。

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