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【主張】こどもの日 大人が自らを省みる日に

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【主張】
こどもの日 大人が自らを省みる日に

 昭和26年5月5日制定の児童憲章は「すべての児童は、よい遊び場と文化財を用意され、悪い環境からまもられる」などとうたっている。

 子供の成育環境を整えてやるのは大人の責任だ。現実には、大人が子供の居場所を狭めてしまうような例が少なくないのではないか。

 路地から子供の笑ったり泣いたりする声が消えて久しい。集団を避け、個別に行動する子供が増えているのだろう。安全な遊び場の確保が難しいことやテレビゲームの普及などが原因だとされる一方で、最近では、公園や空き地の近隣から「子供の声がうるさい」といった苦情が寄せられることも影響しているとの見方がある。

 地域それぞれの事情があるにせよ、昔に比べて子供に対する寛容さが社会全般で失われつつあるように感じられてならない。

 遊びは子供の人間形成に欠かせぬ大切なものである。とりわけ異年齢の子も交えた集団での遊びを通じて子供は、ルールを尊重する態度や協調心などを自然に身に付けていく。心身の健全な発達のためにも、子供を「孤立化」させない居場所をつくってやりたい。

 子供が地域に守られ、地域の中で育てられた時代は、親同士の近所づきあいも盛んだったが、今は親自身が地域に溶け込もうとしない傾向が強まってきている。

 子供の孤立化が進み、子供の声が騒音と受け止められてしまう背景には、このような大人社会での人間関係の希薄化があるのかもしれず、「子供の問題」はとりもなおさず「大人の問題」であると認識し、大人がまず、自らを省みる必要があるだろう。

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