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【宮家邦彦のWorld Watch】テロ等準備罪審議は「反対のための反対」そのものではないか 日本は「国会答弁法」の国だ

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【宮家邦彦のWorld Watch】
テロ等準備罪審議は「反対のための反対」そのものではないか 日本は「国会答弁法」の国だ

衆院法務委員会で「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の審議に臨む安倍晋三首相(左)と金田勝年法相=19日、衆院第14委員室(斎藤良雄撮影) 衆院法務委員会で「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の審議に臨む安倍晋三首相(左)と金田勝年法相=19日、衆院第14委員室(斎藤良雄撮影)

 今こそ、反対のための反対をやめ、政治をゲームの如(ごと)く扱わない姿勢を示すときだ。18日、英国のメイ首相が総選挙実施を表明した際、野党に呼びかけた言葉だ。同時期日本では衆院法務委員会で、テロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法改正案の審議が始まった。今回は立法に関する日本と欧米諸国との考え方の違いについて考えてみたい。

 共謀とは英語でコンスピラシー、つまり「徒党による謀議、合意」を意味する。英米法では「反社会的な目的を達成するため秘密行動を決意する」行為自体に刑事責任が問われる。英国の共謀罪は「コモンロー」、すなわち中世以来イングランドで発展した伝統、慣習、先例に基づく判例法の一部として確立したそうだ。これに対し共謀罪が成文法上の犯罪である米国でも、その定義は英国のコモンローに基づくという。法案に反対する識者は英米で共謀罪が労働運動や反戦運動に適用されたことを批判している。

 では、英米以外はどうか。欧州大陸諸国は英米的「判例法」ではなく「成文法」主義だ。興味深いことに、大陸諸国の多くは組織犯罪に対して「徒党による合意」ではなく「犯罪組織への参加」自体の刑事責任を問う。つまり、具体的行為に関する共謀がなくても、その種の組織に参加するだけでアウトなのだ。

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