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【正論】アメリカが強い圧力をかけている今こそ、北朝鮮の拉致問題を解決する最大のチャンスだ あらゆる知恵を絞って北と交渉を 麗澤大学客員教授・西岡力

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【正論】
アメリカが強い圧力をかけている今こそ、北朝鮮の拉致問題を解決する最大のチャンスだ あらゆる知恵を絞って北と交渉を 麗澤大学客員教授・西岡力

東京基督教大学の西岡力教授 東京基督教大学の西岡力教授

 過去、北朝鮮がなんらかの譲歩を行ったときは、必ず米国から軍事圧力があった。1994年に北朝鮮が寧辺の原子炉でプルトニウムを生産していることが発覚し、クリントン政権は核施設への爆撃作戦を準備した。また、日本政府は米国からの強い要請を受けて、朝鮮総連の膨大な額の対北送金を、警察と税務署を使って止めようとした。このとき金日成主席が出てきてカーター特使と会談し、核開発の凍結を約束。実際に寧辺の原子炉を止めた。

 ≪北と拉致問題の先行協議を≫

 ただし、その後も金正日総書記はパキスタンから濃縮ウラン製造技術を秘密裏に導入して核開発を続けた。それが発覚したのが、テロとの戦いのまっただ中にあったジョージ・ブッシュ政権時代だ。2002年1月の「悪の枢軸」演説は、戦争をしてでも北朝鮮の核開発を止めるという宣言だった。そのとき、金正日氏は小泉純一郎首相を平壌に呼び、拉致被害者の一部を帰すという譲歩をした。

 残念だったのは、その絶好のチャンスを、日朝国交正常化を最優先にした外務省のために十分生かせなかったことだ。外務省は「5人生存、8人死亡、それ以外はいない」という北朝鮮の拉致被害者調査結果を検証なしに公表して既成事実化を図ったばかりか、帰国した5人の被害者を再び北朝鮮に戻そうとさえした。被害者救出は最優先になっていなかったのだ。

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