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【正論】「北朝鮮」カードと中国が最も嫌悪する「一つの中国」カードを駆使…「狡知」際立つトランプ対中外交 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫

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【正論】
「北朝鮮」カードと中国が最も嫌悪する「一つの中国」カードを駆使…「狡知」際立つトランプ対中外交 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫

夕食会で握手を交わすトランプ米大統領(右)と中国の習近平国家主席=6日、米フロリダ州パームビーチ(AP) 夕食会で握手を交わすトランプ米大統領(右)と中国の習近平国家主席=6日、米フロリダ州パームビーチ(AP)

 米国の新大統領トランプ氏には外交経験はまるでなく、そのうえ無謀で予測不能な人物であるかのごとく言い募るアナリストが絶えないが、謬見(びゅうけん)であろう。大統領選勝利の頃から現在にいたる氏の行動様式から判断する限り、その外交的手腕にはみるべきものがあるというのが私の直感である。

≪シリア爆撃で北への関与促す≫

 トランプ氏は米国の覇権に刃向かう現在ならびに将来の新覇権国家が中国であることを正しく認識し、オバマ政権時代の寛容で融和的な政策を転じて、早くも対中牽制(けんせい)のための有力なカードをみせつけ始めた。その一つが、当面の最重要課題である北朝鮮問題の解決に中国を強引に引きずり込もうとする策であり、もう一つが、米国は「一つの中国」原則に縛られないとする、胸中に秘めた氏の策をのぞかせたことであろう。

 トランプ氏が北朝鮮に対するオバマ時代の「戦略的忍耐」政策を放擲(ほうてき)し、脅威が高まれば軍事行動も選択肢になるという政策に転じたのは、相対的にその力を減じつつあるとはいえ、なお他を圧する覇権力を擁する米国としては至極当然のことであろう。就任後、最初の歴訪にティラーソン国務長官を日韓に赴かせて、新政策を両国に伝えるという迅速さであった。

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