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【直球&曲球】留萌の一軒の本屋… 文化を維持させるための行動 中江有里 

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【直球&曲球】
留萌の一軒の本屋… 文化を維持させるための行動 中江有里 

 設立記念日には、普段は入れない閉架図書の見学ツアーが行われ、私も参加した。芥川龍之介の遺族が寄贈した本が収蔵されており、芥川が書き込んだと思われる傍線を確認した。現在は手書き原稿も減り、かつてのような赤の入った生原稿も少ない。加えて出版不況と呼ばれて久しい時代、文学館の維持もたやすいわけでないだろう。

 文学館と本屋の共通点を挙げるなら、どちらも文化の発信基地であることだろう。文学館は文化資源を保存し後世に伝え、本屋は出版文化を支え、本を通して人々は視野を広げたり、知識を得たりする。これらに興味を持つ人はそれほど多くないかもしれない。

 しかし一旦(いったん)失われたら再び築き上げられない貴重な宝だ。留萌の本屋を知って、何かを維持するのは、維持する側だけでなく、維持させる側の行動が必要だと痛感した。

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【プロフィル】中江有里

 なかえ・ゆり 女優・脚本家・作家。昭和48年、大阪府出身。平成元年、芸能界デビュー、多くのテレビドラマ、映画に出演。14年、「納豆ウドン」で「BKラジオドラマ脚本懸賞」最高賞を受賞し、脚本家デビュー。フジテレビ「とくダネ!」にコメンテーターとして出演中。

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