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【直球&曲球】留萌の一軒の本屋… 文化を維持させるための行動 中江有里 

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【直球&曲球】
留萌の一軒の本屋… 文化を維持させるための行動 中江有里 

 NHKのドキュメンタリー番組の仕事で北海道の日本海側にある留萌市へと出掛けた。人口2万ほどの街にある一軒の本屋が舞台だ。一度は街から消えてしまった本屋を住民が大手書店に働きかけて復活させた。

 本屋がない街は増えたが、住民が本屋を取り戻したというのは希有(けう)な例だろう。客はポイントカードを作って週に何度も通う。店員はボランティア。これらの行動の根本には「もう二度と自分たちの街から本屋をなくしたくない」という住民たちの強い思いがある。実際、留萌は人口が徐々に減り続けている。その中で売り上げを保つのは大変なことだと思う。本屋を取り戻すだけでなく、維持し続けなければならない。

 維持といえば、13日に日本近代文学館が設立50周年を迎えた。日本中に文学館や作家の記念館があるが、日本で最初の近代文学総合資料館といわれる。東京都目黒区駒場の駒場公園内にあり、昨年展示室はリニューアルされ、本に囲まれたカフェも併設している。設立・開館に当たって高見順、川端康成ら作家と研究者たちが貴重な文学資料が失われないように、と図書や雑誌、作家の原稿や遺品などの収集、所蔵に力を注いだ。

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