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【正論】露は米のシリア空爆に激怒しているのか? 本音はシリアから手を引きたい?ロシア 北海道大学名誉教授・木村汎

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【正論】
露は米のシリア空爆に激怒しているのか? 本音はシリアから手を引きたい?ロシア 北海道大学名誉教授・木村汎

北海道大学の木村汎名誉教授 北海道大学の木村汎名誉教授

 空爆はむしろ政治的、外交的な機能を狙っていた。まず、米国内に向けて、トランプ政権がオバマ前政権とは異なり、アサド大統領による化学兵器使用に関し、毅然(きぜん)とした措置を取る姿勢の誇示。次いで、核兵器開発をエスカレートさせる一方の金正恩・北朝鮮、それを阻止することに不熱心な習近平・中国に対する牽制(けんせい)の意味合いで実施された。

 アサド政権は自らが化学兵器を使用した事実それ自体を否定し、米国空爆をシリアの主権を侵す重大な行為と見なした。プーチン大統領はシリア政府側に与(くみ)し、次のような皮肉すら口にした。結局、大量破壊兵器の保有が証明されないままに終わった「2003年のイラクでの出来事を思い起こさざるをえない」。

 もしプーチン政権がトランプ政権によるシリア攻撃に本気で激怒しているならば、口頭だけでなく行動においても抗議の意図を表すべきだろう。例えば、米国務長官の訪露のキャンセル。にもかかわらず、プーチン大統領自らがティラーソン長官との会談を行った。

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