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【追悼・渡部昇一さん】言論界の巨大な星 深い教養が生んだ正義の人 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

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【追悼・渡部昇一さん】
言論界の巨大な星 深い教養が生んだ正義の人 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

長州「正論」懇話会で講演する渡部昇一さん =平成28年5月6日、山口県下関市 長州「正論」懇話会で講演する渡部昇一さん =平成28年5月6日、山口県下関市

 初めて渡部昇一さんとお会いしたのは40年ほど前、ラジオの番組でした。当時、渡部さんはベストセラー『知的生活の方法』で知られる上智大の若手教授。私は時事通信の記者で、2人で対談をやりましてね。第一印象は、こんなスマートな人がいるのか、という驚きでした。体もスマートなら言うことも非常にシャープで、背景には万巻の読書があるのだろうと思わされた。以来40年、「渡部昇一の新世紀歓談」(テレビ東京)など、渡部さんがホスト役を務めるさまざまな番組に、ずいぶん呼んでいただきました。

 最後にお会いしたのは、先月末のことでした。あまりに痩せられていたので、びっくりしましたね。声も非常に細かった。その際の渡部さんの主たる関心は、米国トランプ政権で国際状況がどう変わり、日本はどうしたらいいか、ということでした。最後まで日本の行く末を考えていた。

 渡部さんの一貫した関心は、日本の現状に対する憂いでした。国家の基本問題である外交、防衛、教育がなっていない、と。そういった国体の問題、つまり皇室の問題にも関わる憲法について、これを早く改正しなければ、と終始一貫説いていた。その点で安倍晋三首相を支持し、書斎派の知識人でありながら実際の運動にも一生懸命に携わった。勇気あるまれな人だった。いまは保守の流れが大きくなっていますが、そのずっと前から一人で戦いを続けてきた渡部さんは、まさしく保守の中心的存在でした。その源流が大きな流れとなってこれから前に進んでいけば、渡部さんも本望でしょう。

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