産経ニュース

【産経抄】その響き百千の雷をなし 3月29日

ニュース コラム

記事詳細

更新

【産経抄】
その響き百千の雷をなし 3月29日

雪崩事故に遭った人を搬送する救助隊員ら=27日午後4時15分、栃木県那須町 雪崩事故に遭った人を搬送する救助隊員ら=27日午後4時15分、栃木県那須町

 雪崩の本当の恐ろしさを知るのは、体験した人だけである。日本の雪崩研究のパイオニアだった故高橋喜平さんも、岩手県の雪山で巻き込まれた。

 ▼4メートル上方から雪が落ちてきた瞬間、「汽車が急停車したときのような衝動」を受けた。ほとんど意識を失い、気がついたら80メートル下の雪上に立っていた。片方のスキーが何かの突起物に引っかかって偶然取り残されたらしい。助かったのは奇跡である。

 ▼高橋さんによれば、すでにある固い雪の上に、新しく降り積もった部分が滑り落ちる「表層雪崩」だった。日本では、斜面全体の雪が全て崩れ落ちる「全層雪崩」に比べて、こちらの遭難が圧倒的に多い。前兆が少なく、滑落速度も大きいからだ。

 ▼栃木県那須町のスキー場で27日に発生した雪崩も、表層雪崩だった可能性が高い。登山の講習会に参加していた県立高校の男子生徒ら8人の命が奪われた。高橋さんは、かつて小紙のインタビューで、表層雪崩についてこう語っている。「降雪量の多い時は注意しなければいかんです。風がともなう場合はさらに何倍か危険だ。そういう時は無理をしない」。

続きを読む

このニュースの写真

  • その響き百千の雷をなし 3月29日
  • その響き百千の雷をなし 3月29日
  • その響き百千の雷をなし 3月29日
  • その響き百千の雷をなし 3月29日
  • その響き百千の雷をなし 3月29日

「ニュース」のランキング