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【オリンピズム】1972札幌(7)スペインの伏兵「パコ」の勝因

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【オリンピズム】
1972札幌(7)スペインの伏兵「パコ」の勝因

男子回転を制し、キスで喜びを表現するオチョア=昭和47年2月13日、北海道・手稲山回転競技場 男子回転を制し、キスで喜びを表現するオチョア=昭和47年2月13日、北海道・手稲山回転競技場

 実はこのオチョア、札幌五輪前のワールドカップ(W杯)を日本チームと一緒に転戦していた。現在、全日本スキー連盟(SAJ)専務理事を務める古川年正も、「パコ、パコ」と呼んで親しくしていた。

 「パコの金メダルは誰も取ると思わなかった。だってW杯で優勝したことないんだから。不思議だよね。やっぱり南国の選手だわ。おおらかで。ああいうのは珍しいと思ったなぁ。能天気。完璧なラテン系だね」

 アルペン王国と呼ばれていたフランス、オーストリア勢が次々と“落城”する中、金メダルをさらったオチョアの滑りを、当時のサンケイ新聞は〈ヒザをやわらかく使い、雪面をスキーがすべっていく。右に左にポールをかわす姿は闘牛場で猛牛にいどむマタドール(闘牛士)を思わせる〉と表現した。しかし、古川はオチョアの勝因を違う角度で見ていた。

 「五輪ってのはね、高梨沙羅(クラレ)でさえ、W杯で17勝(2014年ソチ五輪当時)しても、勝てない。それが五輪。もしかしたら能天気だから勝てたかも分からない。プレッシャーはありながらも、他の選手より全然少なかったと思う。あいつけっこう金持ちなんですよ。スキーは趣味、趣味。だから感覚が、ちまちましていないんですよ」

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