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【津田俊樹のスポーツ茶論】48歳で亡くなったオリンピアン、宮部行範さん 風を切り裂く豪脚を惜しむ

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【津田俊樹のスポーツ茶論】
48歳で亡くなったオリンピアン、宮部行範さん 風を切り裂く豪脚を惜しむ

アルベールビル冬季五輪のスピードスケート男子1000メートルで銅メダルを獲得した宮部行範さん=1992年、フランス アルベールビル冬季五輪のスピードスケート男子1000メートルで銅メダルを獲得した宮部行範さん=1992年、フランス

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 現役引退後、宮部さんは日本オリンピック委員会(JOC)職員となり、選手をサポートする裏方にまわる。JOCの川杉収二・元事務局長は「余計なことはしゃべらないマジメな男だった」と振り返りながら、ある時、まったく違う一面をみせたという。

 「十数年前かな。『ほしかった車をようやく入手したので、ドライブに行きませんか』と、珍しく彼から声をかけてきたんだ。誰かに、おれが車好きって聞いたんだろうな」

 待ち合わせ場所の神宮外苑ヘ行くと、生産中止となった限定販売の国産のオープンカーの横に宮部さんが誇らしげに立っていた。

 「いや、ビックリしたよ。見たこともない車だったから。もっと驚いたのは、その運転ぶり。首都高速にのると、助手席の私の『スピードを出すな』という制止を振り切ってアクセルをどんどん踏み込むんだ。軽く100キロは超えていたね。今でも、あの時の得意満面の顔が忘れられない。まるで別人だった」

 ハンドルを握りながら、アルベールビルで、切り裂いた風の感触を思いだしていたのかもしれない。

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