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【津田俊樹のスポーツ茶論】48歳で亡くなったオリンピアン、宮部行範さん 風を切り裂く豪脚を惜しむ

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【津田俊樹のスポーツ茶論】
48歳で亡くなったオリンピアン、宮部行範さん 風を切り裂く豪脚を惜しむ

アルベールビル冬季五輪のスピードスケート男子1000メートルで銅メダルを獲得した宮部行範さん=1992年、フランス アルベールビル冬季五輪のスピードスケート男子1000メートルで銅メダルを獲得した宮部行範さん=1992年、フランス

 一人のオリンピアンが、あっという間に人生を駆け抜けていった。1992年アルベールビル冬季五輪男子1000メートル銅メダリスト、宮部行範さんが48歳で亡くなった。

 25年前のレースはフランス東部アルプスの麓で繰り広げられた。環境保護のため、大会後に取り壊される屋外の仮設リンクの氷には砂などの不純物が混ざっていた。

 悪コンディションのなか、日本勢はスピードスケートだけで4つのメダルを獲得した。宮部さんは持ち前の強靱(きょうじん)な脚力に、人並み外れた背筋力を纏(まと)った低い前傾姿勢で重い氷を蹴散らした。

 取材チームの一員として現地にいたが、フィギュアスケート、ノルディックスキー担当だったので表彰台の晴れ姿を見ていない。同僚が執筆した原稿には、日本代表の石幡忠雄コーチのコメントが出てくる。

 「身体的な要素が典型的なスプリンターのものなんです。特に筋肉のバネ。これは天性だね」。恵まれた素質に厳しい練習で鍛えあげた持久力が加わり、メダル獲得への道を切り開いたと続け、「日本のスプリント界に、新たなヒーローが誕生した」と締めくくっている。四半世紀前なので、スクラップブックに残された記事は赤茶けていたが、栄光は少しも色あせることはない。

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