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【正論】宇宙は生命に満ち溢れているか 地球型惑星は発見されたが… 千葉工業大学惑星探査研究センター所長・松井孝典

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【正論】
宇宙は生命に満ち溢れているか 地球型惑星は発見されたが… 千葉工業大学惑星探査研究センター所長・松井孝典

松井孝典氏(伴龍二撮影)  松井孝典氏(伴龍二撮影) 

 宇宙における生命の分布を探るアストロバイオロジーという学問がある。日本でも新分野として優遇されているが、掛け声ほどに有望な学問分野かと問われれば、疑問符がつく。生命の起源の解明など、21世紀中に可能だろうかというほど、そのゴールは先だし、もっとも生命のいそうな惑星である火星探査でも、なかなか生命の痕跡が発見されないという事情を考えてみればよい。

 それでもアストロバイオロジーに惹(ひ)かれるのは、宇宙が理論物理学的には生命にとってやさしいからだ。宇宙に生命がいる不思議を理論的に追究していくと、数学的な因果関係だけで説明できない不思議がいくつも出てくる。それらを説明するには、宇宙に生命が生まれるように、予(あらかじ)め条件が課されているとしか考えられないのだ。

 ≪我々は地球に送り込まれた末裔か≫

 それは、地球がどのように生まれるかとか、タンパク質や核酸がどのように作られるかというレベルの話ではない。地球はこの宇宙ではありふれた惑星の一つだし、アミノ酸や核酸塩基からタンパク質や核酸を合成するのは、考えられないくらいの偶然が重ならないとできない。それでもそれは単なる確率の問題であり、理論的には理解できるレベルの話だ。

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