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【産経抄】握手をする理由しない理由 3月20日

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【産経抄】
握手をする理由しない理由 3月20日

 昨年のリオデジャネイロ五輪、柔道男子100キロ超級の会場で激しいブーイングが起きた。イスラエルの選手に一本負けしたエジプトのエルシェハビ選手が、試合後の握手を拒否した場面である。

 ▼ただ、帰国したエルシェハビ選手を取材した毎日新聞によると、やむを得ない理由があった。試合前からインターネットを通じて、「棄権すべきだ」「敗北は許されない」などの声が寄せられた。イスラエルを敵視するアラブ人の感情を尊重して、コーチと相談して決めたという。

 ▼ホワイトハウスで17日、トランプ米大統領との初会談に臨んだドイツのメルケル首相が、写真撮影に際して声をかけた。「握手しますか?」。トランプ氏はあらぬ方向に顔を向けたまま返事をしない。先月の日米首脳会談で、安倍晋三首相の右手を笑顔で19秒間も握りしめた人物とは、別人のようだった。

 ▼米国の子供たちは、ぬいぐるみやゲームを利用して、握手の作法を教え込まれる。「握手は握る手から当人自身と相互の関係についての情報をにじみださせる、すぐれて触覚的な儀礼」だからだ(『身ぶりとしぐさの人類学』野村雅一著)。

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