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【正論】北の核ミサイルが使われるとき 核抑止態勢はもはや「最小限抑止」ではない 防衛大学校教授・倉田秀也

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【正論】
北の核ミサイルが使われるとき 核抑止態勢はもはや「最小限抑止」ではない 防衛大学校教授・倉田秀也

防衛大学校教授・倉田秀也氏 防衛大学校教授・倉田秀也氏

 本来、北朝鮮はその核戦力が米国には遥かに及ばず、通常兵力でも米韓連合軍に対して劣位に立つ条件のもとで、とるべき核態勢の選択肢は限られていた。それは「核先制不使用」を宣言して、核戦争を挑む意思がないことを明らかにしつつ、その核戦力を専ら米国の核による第1撃を抑止する第2撃として使用する核態勢であった。

 従ってその核戦力は、核戦争を戦い抜く能力ではなく、人口稠密(ちゅうみつ)な大都市に着弾できるなど、米国に第1撃を躊躇(ためら)わせる最小限でよかった。かかる核抑止態勢が一般に、「最小限抑止」と呼ばれる所以(ゆえん)である。

 だが近年-過去本欄でも幾度か指摘した通り-北朝鮮は「最小限抑止」の構築を目指す一方で、それとは相いれないレトリックが目に余る。「核先制不使用」とは逆行する「核先制打撃」はその最たる例だが、それは単なるレトリックだけではない。

≪「スカッドER」連射の意味≫

 3月6日、弾道ミサイルの連射は、北朝鮮が目指す抑止態勢がもはや「最小限抑止」だけでは説明できないことを装備の面から改めて示した。今回連射されたのは、既存の中距離弾道ミサイル「スカッドER」とされ、その射程は約1300キロ以上といわれる「ノドン」より短い約1000キロと推測される。

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